命取りになった「岸田の悪送球」、巨人の阿部監督「刺しにいったので致し方ない」

 中日3―2巨人(セ・リーグ=24日)――中日が連敗を5で止めた。同点の七回に敵失で1点を勝ち越し。涌井の後、3投手がつないでリードを守り切った。巨人は五回以降、無安打と打線が沈黙した。

◇ 打線が思うように得点できない中では、一つのミスが命取りになる。巨人は二回に追いついて以降、攻めあぐねていた。同点のまま迎えた終盤、七回の守りで勝敗の行方を左右するプレーが出てしまった。

 粘り強く投げていた赤星が先頭打者に二塁打を浴び、犠打で一死三塁。次打者が4球目を空振りし、飛び出した三塁走者を刺そうと、捕手の岸田はけん制球を投じた。ところが、送球は慌てて頭から帰塁した走者の足に当たり、球が二塁方向へ転がる間に、生還を許した。

 内野ゴロでも本塁を突こうと、三塁走者はスタートを切る構えを見せていた。アウトにできればピンチを摘むビッグプレーとなっただけに、勝負にいった末の結果は責められない。捕手出身の阿部監督も「刺しにいったので、致し方ない」とかばったが、チームにとっては痛恨の失点となってしまった。

 プロ7年目の27歳。大城卓がマスクをかぶることが多かった昨季は46試合の出場にとどまった。それでも、巧みな配球や若い投手陣を鼓舞するリードなど守備面の評価は高く、出番を増やしている。今季5試合目の先発出場となったこの日は、二回にいったん同点とする犠飛を放つなど、1安打1打点とバットでも気を吐いていた。

 阿部監督はしばしば、プレーの成否を「紙一重」と表現する。敗戦後、ファンの声援に感謝するため、チームメートとともにグラウンドに整列した岸田は、ぐっと唇をかみ締めた。ワンプレーの重みを、強く胸に刻んだに違いない。(平山一有)

2024-04-24T21:10:29Z dg43tfdfdgfd