珍しい日本人記者への問いかけ、取材で広報制し自らOKサイン…担当記者が感じた大谷翔平の変化

<ドジャース6-3マーリンズ>◇6日(日本時間7日)◇ドジャースタジアム

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)6日(日本時間7日)=斎藤庸裕】3冠王も視野に入った。ドジャース大谷翔平投手(29)が、今季初の3戦連発となる同点の11号2ランを放ち、本塁打争いで両リーグ単独トップに立った。3試合連続のマルチ安打でリーグトップの打率は3割7分に上昇。27打点で打点争いでも3位に浮上した。この日はナ・リーグの週間MVPを獲得。同リーグでは初で、通算では8度目の受賞だった。

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大谷の本塁打が、この日も勝利に直結した。メジャー通算176号をマークし、日本人最多を更新した4月21日から7本塁打。全て勝ちにつながっている。打撃の状態が上がり、チームも急上昇。本塁打を打っても負け、「なおエ」とやゆされていた昨年までとは違う。日々、野球で味わえる充実感がある。それと同時に、大谷は内面から醸し出す雰囲気も変わった。

最近の2週間ほどで7度、メディアの取材に応じた。投打の二刀流で活躍していた直近の2年は登板後に限られ、基本的には1週間に1度。頻度が増えただけでなく、並べる言葉や受け答えで見せる屈託のない笑顔、囲みの場を盛り上げる絶妙な切り返しにも“らしさ”がより感じ取れる。ここ数年は本音が読み取れないことも多々あったが、自らの言葉で現状を語ることで、その時々の気持ちが比較的、分かりやすいようにくみ取れるようになった。

4月24日の試合前、囲み取材は15分にも及んだ。昨年のFAで最終候補まで残っていたブルージェイズへの思いや当時の真実、真美子夫人との生活など多岐にわたった。14分を過ぎた頃、回答が終わったと勘違いして終了の合図を送ろうとした球団広報に大谷は「ヘイ!」とニヤリ。取材が長引けば終了させ、選手を守るのが広報の仕事の1つでもある。それでも、大谷がOKサインを自ら主張した形となった。過去6年間では見たことがなかった。

同28日のブルージェイズ戦前、日本人の担当記者に歩み寄り、ささいな事で自ら問いかける場面もあった。極めて珍しい姿ではあるが、大谷自身はごく自然体だった。現地の米メディアの間でも変化を指摘する声はある。結婚して家族を得て、その影響もあるのかもしれない。いずれにしても、進化はパフォーマンスだけではない。日常の表情や所作、周囲とのコミュニケーションの仕方など、新たな一面が所々でかいま見える。

2024-05-07T10:46:28Z dg43tfdfdgfd