「4番、ファースト、清原君」
アナウンスが神宮球場に響き渡る中、打席に入ったのは清原和博氏の長男・正吾。4月13日に行われた東京六大学野球のリーグ開幕戦で、慶應大学野球部の主軸を務めた。186センチ・90キロというプロフィール以上に大きく見える体格は迫力十分だ。
「お父さんにも劣らない立派な体をした右の大型スラッガーです。ここまでフィジカルに恵まれたアマ選手はそういません」(NPB球団スカウト)
大学入学前の練習で、すでにロングティーで130m級の当たりを飛ばしたという。そのポテンシャルの高さは誰もが認めるところだ。
「2年秋の最終戦に代打で六大学デビューを果たし、3年春は開幕3試合ですべてスタメン。しかしその後の出場は代打での1打席のみで、秋はベンチ入りも逃した。変化球への対応が課題でした」(スポーツ紙担当記者)
父の事件を機に中高では野球から離れていたため、6年間ものブランクがあった。大学に入って初めて、木製バットで変化球に対峙している。
「にもかかわらず、4年の春に慶應の4番というのは著しい成長スピードと言える。性格もとても真っすぐだと聞いています」(前出・スカウト)
この3年間に、慶大からは4人の野手がプロ入りしている。その一人の萩尾匡也外野手(巨人)は開幕から一軍で活躍していて、彼を慕う正吾もプロ志望だという。
「4年生で大活躍して指名される子も珍しくない。ドラフト候補と言われる投手たちから本塁打を何発も打てば、素材のよさも合わせて評価されるでしょう。長距離砲は希少価値が高いし、ドラフト直前までどこも注視すると思います」(同前)
「偉大な父のような選手になりたい」という息子の夢は叶うのか。
「週刊現代」2024年5月11日号より
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